部品屋根性(101) NJL5501R、COBP 2波長フォトリフレクタ

Joseph Halfmoon

タイトルに「バイオモニタリングセンサ」と書こうかと思ったのですが止めました。データシートのタイトルが「COBP 2波長フォトリフレクタ」だからです。でも何だか分からんよな~。「中の人」もそう思ったのか後継品種のデータシートには「バイオモニタリングセンサ」と書かれてました。「COBP 2波長」のところで皆跳ね返された?

※「部品屋根性」投稿順Indexはこちら

別シリーズで「心拍」測った回路が目の前にある

目の前に「心拍」測れる回路(ブレッドボードですが)があったのです。別シリーズの以下の回にて使用のもの。

お手軽ツールで今更学ぶアナログ(164) 心拍数の測定、実はブレッドボードの結線ミス

赤外線LEDと赤外線フォトトランジスタを対向させておいて、その間に指などを挟むと、血流の状態を反映した信号が得られ、心拍が測定できるという回路デス。自前で作った「先っぽ」の塩梅が良かったのか結構安定して信号がとれます。まあ回路はアナデバ様設計なので当たり前か。

上記は「透過型」での測定でしたが、「反射型」の測定をやってみたことがあるのです、4年ほど前になる過去記事が以下に。

介護の隙間から(37) 脈拍を測る、JRC NJL5501R

赤外線を指に透過させるのか、反射させるのかは大きな違いですが、それを測定する回路としては「似たようなもんでいいんでないかい」と考えました。過去記事では結構トラブっていたみたいですが。

反射型用のデバイス、NJL5501R

さて、昔使用したNJL5510R、直ぐに見つかりました。チップは小さい表面実装品ですが、例によって秋月電子通商殿のDIP化モジュールに搭載なのである程度の大きさがあります。御近影を以下に掲げます。チップの下の黒いところは、測定時、指をチップにのせたときに、ブレッドボードの端子がガタガタしないようにするための「座布団」デス。AE_NJL5501Ra

チップ自体は、LED(赤外と赤の2波長)とフォトトランジスタが、上方向に光が透過できるパッケージ内に並んで格納されとります。

メーカの日清紡マイクロデバイス殿の以下のページへ行ってみました。

バイオモニタリングセンサー

やはりというか、NJL5501Rはリストされておらなかったです。念のため、保守品、生産終了品のリストを検索してみましたが見つかりません。日清紡マイクロデバイスになる前の旧JRC(新日本無線)時代に既にディスコンになっていたのかもしれません。

しかしほぼクリソツなコンセプトの品種NJL5510Rはありました。赤外、赤の2波長で、発光周波数などNJL5501Rとまったく同じ仕様です。ただし、データシートをダウンロードしてみるとタイトルが違いました。

    1. NJL5501R、COBP 2波長フォトリフレクタ
    2. NJL5510R、PD&赤色・近赤外LED 搭載バイオモニタリングセンサ

「PD&赤色・近赤外LED 搭載バイオモニタリングセンサ」であれば、何に使うものだか想像がつくというものですが、「COBP 2波長フォトリフレクタ」はなんだかな~です。念のために付け加えるとCOBPは、Chip On Board Packageの略です。部品屋、組み立て屋さんにはお馴染みのCOB実装だけれども、ポロっとCOBPなんたらと言われても分かる人は少なかろうと。

なお、2波長使えるようになっているのは、単純な心拍測定だけでなく、SPO2(血中酸素濃度)も測れるようにするためだと思います。どこかにSPO2計算するアルゴリズムなど落ちていないかしら?

実験用回路はちょいと改変

さて、アナデバ様の「ADALM2000による実習:心拍数の測定回路」は汎用の赤外線LEDであるQED-123と赤外線フォトトランジスタQSD-123で透過型で心拍測定する回路でしたが、それを勝手「チョイ変」させていただきNJR5501R用にしたものが以下に。NJL5501_IR_Circuit

過去回では、NJR5501R搭載のLED2つのうち、可視光の赤を使っていたので今回は、赤外線の方を使ってみました。

ブレッドボード上にあった回路をチョイ変してNJR5501Rを接続したところが以下に。NJL5501R_DUT

元の回路は、最終段のアンプが470倍とゲインが大きかったのですが、10倍と控えめにしてあります。これは透過型だと、指の押し付け方次第で入力信号のレベルが大きく変わって安定せず、倍率あげると信号が飛び回って振り切れたりするのに対処するための「やっつけ」改変デス。とりあえず倍率下げて、まずは心拍とれることを確認しようと。

実験結果

以下に測定した信号を掲げます。だいたい60 bpm くらいの安静時の心拍が取れているみたいですな。NJL5501_IR_WaveForm

反射型でもとれることはとれるけれど、透過型に比べると信号が不安定デス。ちょっと指を動かすと信号が飛び回ります。カッコイイ回路とかカッコイイ信号処理がいるのでないの?

部品屋根性(100) WS2812B、NeoPixel、シリアル制御フルカラーLED へ戻る

部品屋根性(102) NJL5513R、トランスインピーダンスアンプで受ける へ進む