連載小説 4ビットAI内蔵 “詠人舞衣子” の思い出 投稿順index

連載小説 第1回 私の名は詠人舞衣子(よんびとまいこ)。4ビットマイコンが埋め込まれている女子です。4ビットなんかでAIになるか!とお叱りを受けるかも知れません。そうです、かなりポンコツです。しかし、エレクトロニクス産業の栄光は4ビットから始まりました。この世界で奮闘努力してきた私舞衣子と一緒に涙と笑いの時代を旅して下さいね。うふ(笑)

連載小説第2回 <これまでのあらすじ> 就活で地方の時計メーカー(上諏訪時計舎)に決まった詠人舞衣子(よんびとまいこ)。何故か4ビットマイコンが埋め込まれている早慶大学JD(女子大生)です。慣れ親しんだ東京を離れ、しかも心理学科卒バリバリ文系女子なのに、地方のメーカーなんかに就職して大丈夫? 舞衣子のチャレンジが始まります。

連載小説第3回  <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎に就職した詠人舞衣子(よんびとまいこ)。わけあって4ビットAIが埋め込まれている新人OLです。早慶大心理学科卒文系女子なのに、半導体営業課に配属。半導体って何?の勉強から舞衣子のチャレンジが始まります。因みに同じ課に配属された同期の4人は結構イケメンでした。それってラッキー?

連載小説第4回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎に就職した詠人舞衣子(よんびとまいこ)。わけあって4ビットAIが埋め込まれている新人OLです。早慶大心理学科卒文系女子なのに、半導体営業課に配属。半導体事業部検査課での工場実習を終えようとしている舞衣子と、同期の島工作君とトム君でしたが、舞衣子はいまだに「半導体って半分電気通すの?」状態です。

連載小説第5回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎に就職した詠人舞衣子(よんびとまいこ)。わけあって4ビットAIが埋め込まれている新人OLです。心理学科卒文系女子なのに、半導体営業課に配属。新人研修を終え、いよいよ営業部に勤務です。早速営業の第一線へ!っなんて、そんな甘くないか。

連載小説第6回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎に就職した詠人舞衣子(よんびとまいこ)。わけあって4ビットAI内蔵の新人OLです。心理学科卒文系女子なのに、半導体営業課マイコンチームに配属。どうやら、この会社は4ビットマイコンを開発中らしいです。

連載小説第7回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎に就職した詠人舞衣子(よんびとまいこ)。わけあって4ビットAIを内蔵している新人OLです。心理学科卒の文系女子なのに、半導体営業課マイコンチームに配属。どうやら、この会社は4ビットマイコンを開発中らしいです。時代は1980年、ゲームウォッチが流行り始めた頃でした。

連載小説第8回 <これまでのあらすじ>1980年に上諏訪時計舎に就職した詠人舞衣子(よんびとまいこ)。わけあって4ビットAIを内蔵している新人OLです。心理学科卒の文系女子なのに、半導体営業課マイコンチームに配属。4ビットマイコンを売り始めました。家電もゲーム機も電子化が進み、多くの機器にICが使われるようになっていった頃です。

連載小説第9回 <これまでのあらすじ>1980年に上諏訪時計舎に就職した詠人舞衣子(よんびとまいこ)。わけあって4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒の文系女子なのに、半導体営業課マイコンチームに配属。4ビットマイコンを売り始めました。家電もゲーム機も電子化が進み、多くの機器にICが使われるようになっていった頃です。

連載小説第10回 <これまでのあらすじ>1980年に上諏訪時計舎に就職した詠人舞衣子(よんびとまいこ)。わけあって4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒の文系女子なのに、半導体営業課マイコンチームに配属。4ビットマイコンを売り始めました。家電もゲーム機も電子化が進み、多くの機器にICが使われるようになっていった頃です。

連載小説第11回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎4年目、IC営業部の詠人舞衣子(よんびとまいこ)です。訳あって4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒文系女子ながら先端技術製品のICを売っています。マイコン販売担当から海外営業担当へと華麗なる転身(?)をしたところです。

連載小説第12回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎4年目、IC営業部の詠人舞衣子(よんびとまいこ)です。わけあって4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒文系女子ながら先端技術製品のICを売っています。海外営業課アメリカ担当。海の向こうには気になる島工作君が赴任中。

連載小説第13回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎5年目のIC営業部海外営業課の詠人舞衣子(よんびとまいこ)です。ちょっとわけあって4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒文系女子ながら先端技術製品のICを売っていますよ。海外はアメリカ担当。海の向こうには気になる島工作君が赴任中。オフィスの隣の机にはトム君が・・・。

連載小説第14回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎6年目のIC営業部海外営業課の詠人舞衣子(よんびとまいこ)です。4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒文系女子ながら先端技術製品のICを売っていますよ。海外はアメリカ担当。海の向こうに赴任中のイケメン島工作君は、みんなに人気のみゆチャンと結婚しちゃいました。オフィスの隣の机には同期のトム君が座っていますが、イマイチおちゃらけ者です(笑)。

連載小説第15回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎6年目のIC営業部海外営業課の詠人舞衣子(よんびとまいこ)です。4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒文系女子ながら先端技術製品のICを売っていますよ。海外はアメリカ担当。海の向こうに赴任中のイケメン島工作君は、みんなに人気のみゆチャンと結婚しちゃいました。オフィスの隣の机には同期のトム君が座っていますが、イマイチおちゃらけ者です(笑)。最近、トム君にも何やら不穏な動きが・・・。

連載小説第16回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎6年目のIC営業部海外営業課の詠人舞衣子(よんびとまいこ)です。4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒文系女子ながら先端技術製品のICを売っているんです。同期のイケメン島工作君もオチャラケ富夢まりお君も、私との恋愛スイッチをオンしないまま、別のトランジスタを形成してしまいました。ちょっと残念だけど、ま、仕方ないですね。私もそろそろ恋しちゃおっかな(うふ)。

連載小説第17回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎6年目のIC営業部海外営業課の詠人舞衣子(よんびとまいこ)です。4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒文系女子ながら先端技術製品のICを売っているんですよ。同期のイケメン島工作君もオチャラケ富夢まりお君も、私との恋愛スイッチをオンしないまま、別のトランジスタを形成してオンしちゃいました。ちょっと残念だけど、ま、仕方ないですね。私もそろそろ恋しちゃおっかな(うふ)。

連載小説第18回 <これまでのあらすじ>上諏訪時計舎あらためサイコーエジソン株式会社7年目のIC営業部海外営業課の詠人舞衣子(よんびとまいこ)です。わけあって4ビットAIを内蔵しています。心理学科卒文系女子ながら先端技術製品のICを海外に売っているんですよ。時代はバブルへGo ! ってな感じなので、時にはボディコンも着てたんです(うふ)。

連載小説第19回 時はバブル、そして日米半導体摩擦(若者知らないか?)通産省(当時)に呼ばれてしまった舞衣子さん、どうする!?

連載小説第20回 人事制度について議論?していたら突然の雷鳴、そして停電。どうする(どうなる)舞衣子さん!

連載小説第21回 なつかしい?表計算ソフトで馬鹿話。でも、停電大丈夫なの?

連載小説第22回 「私だって、負けないぞー!」と舞衣子さん。時代はいまだLotus123(あなたは知らない世代?)

連載小説第23回 舞衣子主任殿じゃ。マイコ・ザ・グレート問題勃発?

連載小説第24回 この連載大河小説ももう24回。そういう意味ではスーパー? ようやく1986年、入社7年目、主任試験も終わったというのに、まだ24回。そろそろ次の年にいってもいい頃ではないかという議論もあるのですが、次の年にいくととうとう。。。ちょっと焦っている?舞衣子さん

連載小説第25回 FPGAってアウトドア商品? つい教養が滲み出てしまった?舞衣子さん。日本の半導体産業の枯盛衰とともに生きてきた私ですから。

連載小説第26回 ぴえん な舞衣子さん(注:ぴえんという言葉は2020年頃にのみ使われた女子用語で…)

連載小説第27回 「もう納期調整だけの人生はイヤになってきたよ」とトム君。シリコンサイクルと私。

連載小説第28回 日本と世界の半導体や電子産業の光と影を壮大に語る大河小説のはずでしたが、まあ、こんな日もあるのでしょう、と舞衣子さん。

連載小説第29回 ゼニナイ?社、グラフィックICのベンチャーはお金が足りなかった

連載小説第30回 人生の転機か、舞衣子さん。しかし忍び寄るクパチーノの影?

連載小説第31回 マッチング?舞衣子さん。クパチーノの男登場?

連載小説第32回 私って薄倖の女

連載小説第33回 激動の1989年?シリコンバレーへ赴任。お楽しみはこれからだ?

連載小説第34回 舞衣子さん、米国赴任第一日目。まずは食い気?

連載小説第35回 男社会?当時の赴任事情。

連載小説第36回 当時の赴任事情つづき。ウキウキ?

連載小説第37回 乾燥したシリコンバレー、温泉が懐かしい?けれど無敵の?舞衣子さん。

連載小説第38回 半導体業界の栄枯盛衰を描く筈が、今回もお遊び?舞衣子さん。

連載小説第39回 食べるのも仕事のうち!でも太った?舞衣子さん

連載小説第40回 米国で成長を続ける?舞衣子さん。水平方向にも?

連載小説第41回 記憶喪失?まさかの2分前から?何言っちゃたの?舞衣子さん。

連載小説第42回 一読者として気になります。そんなにご飯食べてばかりでいいの?舞衣子さん。

連載小説第43回 すれ違い?これって運命?舞衣子さん。そのころ携帯電話があったらば。

連載小説第44回 TelexにFax、復帰復帰改行改行!と舞衣子さん。

連載小説第45回 世間は狭い!と舞衣子さん。でもどうしたら。。。

連載小説第46回 お味噌売り場で進展?舞衣子さん。46回だし?

連載小説第47回 絶好調?舞衣子さん。波乱万丈の幕開け?

連載小説第48回 舞衣子さん。そんなにモグモグしていて大丈夫?

連載小説第49回 舞衣子さん。日本半導体産業の光と影を描くはずがグルメ小説化?

連載小説第50回 No gingerって慣用句?なんだ親父ギャクじゃん。1990年が暮れていく、と舞衣子さん。

連載小説第51回 バブル崩壊。といってもまだホンワカな新年、舞衣子さん。

連載小説第52回 アメリカで感じたザワザワ感、でも絶好調、舞衣子さん。

連載小説第53回 祝進展!舞衣子さん。テキーラ、ショットで飲みたし。

連載小説第54回 「半導体の受注が多くて嬉しい悲鳴をあげていた頃の事。」最近の話じゃないです、日本半導体の全盛期?の話ですよね、舞衣子さん。で何時の時代?

連載小説第55回 San Jose del Caboまで泳いでいく?と舞衣子さん。まだGoogle MapどころかGoogleも無い時代。

連載小説第56回 一つの時代の終わり?時にはメソメソしちゃう舞衣子さん。

連載小説第57回 「インテル入ってる?」ペドロスの “All you can eat” は危険? 舞衣子さん。

連載小説第58回 「老人と海」、「麗人と海」いやセニョール寿司だ!と舞衣子さん。

連載小説第59回 スゴいぞ、でも、ホントに大丈夫?と舞衣子さん。

連載小説第60回 あれよ、あれ、と舞衣子さん。

連載小説第61回 暫くあとに。。。気になりますぜ、舞衣子さん

連載小説第62回 衝撃の告白?思わぬ展開、舞衣子さん、編集者も想定外でしたぜ。

連載小説第63回 『人生って不思議なものですね』と舞衣子さん。

連載小説第64回 倫ちゃんからのプロポーズに”マンモスうれピー”舞衣子さん。しかし、半導体ロットアウトの怪しい影が忍び寄る

連載小説第65回 婚約中から人妻に昇格?舞衣子さん。新婚旅行を兼ねてクリスマス休暇。

連載小説第66回 新婚旅行から戻った舞衣子さん。Faxと電話で納期調整?

連載小説第67回 日本半導体の「ほぼほぼ」全盛期、余裕の女王様と家来?時は1992年頃。

連載小説第68回 世界を股にかけた品質問題勃発?その裏に日本半導体のリアクション芸体質?その時は気づいていない舞衣子さん。

連載小説第69回 昭和か?って、いやもう平成4年だし。懐かしのキャンディーズ?

連載小説第70回 何だかほっこりする1992年の暮れでした。

連載小説第71回 当時はまだまだイケるでしょ。でも以下から思えば転換期でした、と舞衣子さん。

連載小説第72回 「同情するなら金をくれ!」でも「同情なんかしないし、金もくれない」当時の半導体業界。凋落が決定的になった後になってようやく同情したのか、お膝元の日本政府でしたがそれはずっと先の話。

連載小説第73回 「パソコンがカードの大きさになっちゃうらしいんだよ」「そんなに小さくなる訳ないじゃない。何バカなこと言ってんのよ」、時代はまだ携帯普及以前。

連載小説第74回 期待の新製品カードPC登場に沸き立つ現地営業諸君、でも使い道分かってなかったのね?インテル入っているけど386、Windowsは3.1の時代。

連載小説第75回 カードPCにはIntel入ってるのです。386ですね。Windows3.1で動くのですね。もう歴史ですね。うふっ。我々がスゴい人たちと対等に渡り合っていた(と錯覚していた?)頃のお話です。

連載小説第76回 バブルはじけて3年。でもまだまだ半導体業界は好調。今年のセールスカンファレンスはハワイ。舞衣子さん、重要使命を帯びてハワイ潜入?

連載小説第77回 「悪かったわね、2年以上も人妻で」「なんて無意味な会話をしているのかしら。さっきから、話してる内容が無いよぅ。」シリコンバレーの現地法人SS-Systems設立10周年記念。まだまだ半導体事業も絶好調です。

連載小説第78回 ミル・マスカラスに本場で会えるなんで最高でしょ?え、ミル・マスカラス、ご存知ない?プロレスファンなら知ってるはずです。千の顔を持つ男ですけどね。ま、いいや。さすが、大河小説、それにしても、いまだに、Windows95に到達しません。

連載小説第79回 1994年といえばどんな年だったでしょうか。Windows95が出る前の年(笑)?SS-SystemsでもISO9000始まりました。責任者はマリアさんだけれども「役に立ちそうな事はできるだけ何でもやります」的なリエゾン部門方針に従って舞衣子さんもサポート、大丈夫。

連載小説第80回 当たって砕けろでしょうか。でも当たって砕けちゃうといけないので砕けないようにして結果を出す方がいいですかねと舞衣子さん。

連載小説第81回 ネットワークの時代がようやく到来。最初はメール。それでも感動したんだ当時は。太古の昔だなそれって?

連載小説第82回 舞衣子さん。Windows95ってそんなに出荷が遅れたんだっけか?わたしゃ夜中に並んで買いました。ちょっと寒かったような、よく覚えてないな。

連載小説第83回 舞衣子さんとチーバ君、顧客情報を掴むのに苦戦。分厚くて炭水化物満載のピッツァには満足したよ、と舞衣子さん。

連載小説第84回 倫ちゃん舞衣子さん夫婦に転機?米国シリコンバレーから転じて、怒涛の欧州編?が始まる予感。

連載小説第85回 世界は丸くて繋がっているけど、倫ちゃんは脳天気

連載小説第86回 ブレインストーミングの結果、ミュンヘンへの転勤OK?と舞衣子さん。

連載小説第87回 舞衣子さん、米国シリコンバレーのサンノゼから、ドイツ、ミュンヘンにご転勤。

連載小説第88回 舞衣子さん、ミュンヘンご到着。

連載小説第89回 ミュンヘンの朝。日曜日にマルクトに出かけたい舞衣子さん。でも倫ちゃんは?

連載小説第90回 「おお、God、日曜日を安息日にしたのは、どなたなのですか?」と舞衣子さん。マルクトもスーパーもやってません。でもビアホールは開いてた。

連載小説第91回 私の脳を支配しているカリフォルニア型脳天気のフレンドリーマネジメントでドイツで上手くいくのかどうか? これからが楽しみになってきました。と舞衣子さん。

連載小説第92回 舞衣子さんのミュンヘン転勤がいとも簡単に承認された理由は品不足?矢のような督促がサプライチェーンを逆流してくる?

連載小説第93回 新たな赴任先ミュンヘンで、舞衣子さんの体重問題再び勃発か?それにしても塩分多すぎ?

連載小説第94回 カリフォルニアで分かれを惜しんだばかりのトム君が、欧州法人の新社長になって赴任してくる?聞いてないよ~。

連載小説第95回 時代は1990年代、ヨーロッパ市場で売れたもの。いろいろあるけど売り上げの半分はアレです。

連載小説第96回 当時のドイツの街中にはチャルメラ音?があふれていた?

連載小説第97回 日系企業の不文律もなんのその、トム君はドイツのサウナで整う?

連載小説第98回 日本に帰省の舞衣子さん。前回帰省で昔の服を試して「胸のボタンがすっ飛んだ」舞衣子さん、ドイツで絶え間なく訪れる脂肪分、糖分、塩分の摂取機会でどうなってしまったか?

連載小説第99回 1996年新年。「ごめんね、詩織。今のうちに倫ちゃんと二人で世界の料理を食べ尽くすからね」と舞衣子さん。「お姉ちゃん、だからって、胸のボタン吹っ飛ばすほどに食べちゃダメだからね」と詩織さん。今年も食い気?でもヨーロッパの携帯電話ビジネスは怒涛の展開?企業秘密?

連載小説第100回 祝100回!舞衣子さん、日本半導体の栄光の時代を振り返る。

連載小説第101回 だんだんドイツ流に染まってきた倫ちゃんと舞衣子さん。パラダイムシフトを考える?

連載小説第102回 携帯電話ビジネスで、半導体、怒涛の進撃かと思いきや、冬のミュンヘンの観光案内?

連載小説第103回 みんな揃って携帯電話ビジネスに参入。怒涛の1996年。

連載小説第104回 「電子デバイス営業本部」の元に欧州販社統合。赴任してくる新社長は「カッコいい」けど宇宙人?

連載小説第105回 インパクトもよし韻も踏んだ新社名で新会社発足。事業も順調、経営も健全な陰で溜まる従業員の不満?

連載小説第106回 新会社も楽じゃない。急先鋒のドイツ営業と激論から前向きな議論へ。

連載小説第107回 晴れてトム君は2回目の妻帯者に。当時は1996年、長距離恋愛者にとって通信手段は限られていました。

連載小説第108回 欧州携帯電話ビジネス急伸。液晶ドライバICも超売れた。でも、いったん足を踏み入れたらもう後戻りできない、麻薬のような携帯電話ビジネスの幕開けでした。

連載小説第109回 年が明けて1997年。年末年始の休暇でトム君は新婚旅行。しかし1997年にはトム君にも舞衣子さんにも一大イベントが到来?

連載小説第110回 1997年、京都議定書の採択とも山一証券破綻ともかかわりなく家族に変化。よわい38歳にして新米の妊婦さんになった舞衣子さん。

連載小説第111回 「そっか、シュバンガーか」と舞衣子さん。トム君夫婦もご懐妊。オメデタx2??

連載小説第112回 携帯電話ビジネス白熱、世界規模の需要過多に製造間に合わず。欧州販社副社長のトム君おフランスのカンペールの客先に乗り込むも「先方も怒っちゃってさあ」と。

連載小説第113回 海ちゃん切迫早産(の危険)で入院。携帯電話メーカM社の日本訪問にアテンド中のトム君は大慌て。幸いにも海ちゃん退院で一安心。一方、舞衣子さんも産休に入る。次回はオメデタ続きか?

連載小説第114回 10月3日はドイツでは記念日。東西ドイツ統一記念日だよ。舞衣子さんも海ちゃんも同じ日にご出産。倫ちゃん感動オクトーバーフェストでマス(1リットル)3杯飲んでいたトム君「酔っぱらってる時だったら、厄介な事になってたかもな」。無事に生まれてよかったね。出産祝いでまた飲んで。飲んでばっかりだな。おい

連載小説第115回 1998年、舞衣子お母さんも産休明けで職場復帰。依然、携帯電話市場は過熱するも突然のキャンセル一発、利益が吹っ飛ぶ。

連載小説第116回 「産休開けて復帰して最初の仕事がこれだもんね。ちょっとキツいよね」と舞衣子さん。S社とP社の在庫処理はなんとかなったけれど、将来展望が。「車載用がもっと増えればいいのにね」

連載小説第117回 トム君、『ムンクの「叫び」観てきたんだ』プロジェクタービジネスも勃興期、まだ高温ポリシリコン液晶のビジネスが賑わっていたころの話です。

連載小説第118回 社長賞ゲット!各国現法が本社で会する現法会議で表彰。平成の参勤交代。莫大な経費がかかかるもカバーできる売上げと利益がまだあがっていた時代。

連載小説第119回 「飛んでイスタンブール」「スガちゃんなんか、いいっすねえ、いいっすねえとか言っちゃって大興奮だよ」呆れる舞衣子さん。

連載小説第120回 ドイツ某社と組んでの画期的なプロジェクトの企画?ちょっと時期尚早だった?結局社長のフライトキャンセルであえなくお流れ。惜しかったなあ。

連載小説第121回 〇%$X□&△◎(企業秘密で言えないらしいっす)で倫ちゃんと舞衣子さん夫婦、日本への転勤をついにご決断。二人のミュンヘン生活も後3か月。

連載小説第122回 1999年の元旦の朝は大西洋上のリゾート地テネリフェ島。クリスマス休暇に押し寄せる人々の中。いよいよ、ユーロでの決済が施行。この日の日本円とのレートは、1ユーロ=133円。「2000年問題」が沸き起こり、日産とルノーが資本提携、「AIBO」も発売。どうなる1999年。

連載小説第123回 「とうとう年貢の納め時ってやつですかね」舞衣子さんと同時にトム君(本名 富夢まりお君)も日本へ帰任。日本の営業本部としては、あまりにも長い期間の海外赴任はよろしくないと。いままでトム君が引き受けていたローカルとのややこしい話などあれやこれやを引き継ぎ。「ガッテン承知っす」

連載小説第124回 「ミュンヘンに暮らして3年半。色々ありました。」と舞衣子さん。欧州携帯電話メーカ相手の電子デバイスビジネスは絶好調の中、日本への帰任が近づく。住み馴れたフラットにさよなら。そしてミュンヘンからパリ経由で帰国へ。ちゃっかりルーブル美術館へも行っているじゃん。

連載小説第125回 10年近くに及ぶ海外赴任(アメリカ、ドイツ)を経て、4月から久し振りの日本勤務の舞衣子さん。「携帯電話をやらない電機メーカーはない」、「一台20~30万円の純正カーナビがバカスカ売れてる」まだまだ売上げは右肩上がりの時代。しかし、いずれ大変なことになりそうな予感の同期3人組、居酒屋で20年目の乾杯。

連載小説第126回 カーナビと美少女。クラリオンガールにxxガール、同世代の舞衣子さんの回顧?Z世代の皆さんはなんじゃそりゃかも。話を戻すとクラリオンがカーナビを作っていて宣伝が上手だったという話。オーディオ御三家と言われてたパイオニア、トリオ、山水。トリオはJVCケンウッドとなり、山水は残念ながら倒産。祇園精舎の鐘の音が聞こえてきそう?

連載小説第127回 20世紀も終焉に近ずく中、日本帰任後いきなりその時が。マルサ登場?「分かんないけど、何年かに一度は税務調査が入るらしいんだ」やってきたのは普通の国税局の人たち。電子デバイス営業本部も2~3週間しっかり調査。しかし一生懸命準備しすぎた?「そもそも俺たちドイツにいたんだぜ」そうは問屋が卸さない?厳しいですねえ、世の中は。

連載小説第128回 取り調べ!?「知らないふりをするとスムーズに税務調査が進みません。ご協力をお願いします」席に戻ってきたトム君、「それにしても、調査官は高圧的でイヤな感じだよ」と言っている後ろにも調査官が。「そのパソコンに入っている全てのメールのやりとりをプリントアウトして提出してください」まだ20世紀です、紙ベースだったのね。

連載小説第129回 国税調査ご一行様のご要望により、皆で残業。プリントアウトの単純作業。オフィスを後にしたのが9時過ぎ、皆で乾杯。一杯だけの積りでしたが。膨大なプリント後は取り調べ(!)は急激にトーンダウン、見込みが外れた?でも4年ぶりに見た米国ビジネス、業績悪化で赤字転落寸前。半導体事業に少しずつ翳りが見えるようになっていました。

連載小説第130回 その年の年末はミレニアム対応。2000年問題、Y2K問題とも。事前対策はされていたものの想定外の不都合が起こる可能性が。多くの企業や官公庁などで年が変わる大晦日から元旦にかけて徹夜でスタンバイ。トム君はじめ営業部門の一部メンバも参戦。ただただ元旦の朝まで鳴らない電話の前で待機していた。新たなミレニアムの始まりです。

連載小説第131回 いよいよ新しいミレニアム(西暦2000年)とともに「iモード」登場。今では「iモード」って何?でも当時は世界を変える画期的な発明だったのです。携帯電話にメール機能が付いてびっくり仰天、パケット通信でインターネット。舞衣子さんトム君のビジネスも大きく成長、過去最高の売り上げへ。ピークがあればその後は。。。

連載小説第132回 世界はITバブルの真っ盛り。ニッポン半導体の売上げもサイコー!・・・だった頃の話です。「ドットコム どこが混むのと 聞く上司」ITバブル時代のサラリーマン川柳の傑作を引用させていただきました。アメリカでは世界を変える技術やビジネスモデルが次々と生まれていきました。日本でも似たような技術開発をしていたのですが。。。

連載小説第133回 2000年度、所属の半導体事業の売上げ過去最高。残念ながら、それが本当のピーク、それ以降売上げは減少の一途。ニッポン半導体全体に蔓延る「ゆでガエル現象」。マーケティング感覚に劣る日本の製造業の体質が変わらない中、その後の日本の半導体産業の凋落が始まっていました。奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし、でした。

連載小説第134回 「20世紀最後のビール会、開催しちゃいま~す」「今年は忙しかったなあ」世界はITバブルの真っ盛り。半導体の売上げもサイコー!・・・20世紀も終焉を迎える中、我々の電子デバイスビジネス(半導体、液晶表示体、水晶デバイス)、そして日本の産業はどこへ向かって行くのでしょうか。「20世紀、さいこー!」

連載小説第135回 「2001年宇宙の旅」(1968年作品)は起こらないのだと判明した2001年。登場の「HAL9000」は今でいうAI。超高度なコンピュータでしたが、嘘をつき、人を支配しようとする不気味な存在。この先のAIは?舞衣子さんが好きなロボットは「ドラえもん」らしいが。さて始まったばかりの21世紀、そこにはいくつかの困難が。

連載小説第136回 期待の21世紀開始、半導体の売上げもサイコー!だった筈がBBレシオ(Book to Bill Ratio)が1を切ってダダ滑りに下落。完成品メーカー各社は部品の購入を下方調整、シリコンサイクルは奈落の底へ。東京営業部に異動のトム君大苦境。「それじゃあ、このままデッドストックか?」「その可能性が高いです」ヤバいぜ。

連載小説第137回 絶好調の時期に追加投資をし新工場が建ち上がる頃には景気が後退、一時期間、製造能力が余ってしまうのは半導体事業においては、あるあるの出来事です。イケイケドンドンの雰囲気のまま、大枚はたいて他社前工程の古い製造ラインを買収、キャパは大きくなったものの、なぜか心配。これまでの「あるある」と違う事は確かだよな。

連載小説第138回 「大変なことになってる」2001年9月11日火曜日ニューヨーク朝、同時多発テロ勃発。約3000名の命が奪われました。日本人も24名が犠牲に。罪のない犠牲者に想いを馳せる事は当然でしょうが、事件は情緒的な側面だけで片付く事ではありません。今日にまで繋がる暴力の連鎖。ホモ・サピエンスは不毛な戦争を止めることができないのか?

連載小説第139回 20世紀と21世紀あたりを境に日本半導体の状況は変化。かつて世界一の生産額を誇った日本の半導体事業は次第に競争力を低下させていきました。主要3社のDRAM事業を統合したエルピーダ、主要3社のシステムLSI、マイコン事業を統合したルネサスと統合に活路を見出すも、世界の中での優位性を失っていきます。それは何故?

連載小説第140回 世界はITバブルの真っ盛り。半導体の売上げもサイコー!だったのですが、20世紀と21世紀あたりを境にして状況は一変。新興国の台頭。「今年度の売上げ計画大幅未達まちがいなしだよ」とトム君。年末も押し迫った日の夜「第2回」忘年会決行。仕事始めの日にはまた新年会を約束するも。

連載小説第141回 2002年正月。現代じゃ考えられない個人情報ダダモレの「年男、年女」が音頭をとって年初の手締め。その頃の会社は大体そんな感じでした。昭和の雰囲気ですよねえ。もう平成も14年でしたが(笑)しかし、我々の年代になってくると、次第に親の健康問題が起こってきます。正月も関係ないです。様々な困難が訪れる?

連載小説第142回 電子デバイスビジネス苦しくなってきた2002年。日韓ワールドカップ、グループリーグを1位通過。商談に向かったトム君ご一行、昼のトルコ戦観戦のためにテレビを見れる場所探し。半導体の注文がとれなくなっていた時期なのに。営業の福ちゃん活躍、安価で観戦場所をGetだぜ。でもコーナーキックからのヘディング一発、あえなく敗戦。

連載小説第143回 電子デバイス業界の勢力図が変化する中、2002年のヒット商品はカメラ付携帯電話。その最初は2000年のJ-phone(後のソフトバンク)の「J-SH04」(シャープ製)でした。当時は「写メ」という言葉が流行。当時全盛だったデジカメを駆逐していきます。デジカメも世界を一変させた破壊的技術だったんだけれども。諸行は無常。

連載小説第144回 再び2002年のヒット商品、タカラが売り出した犬語翻訳機「バウリンガル」、ヒトとイヌに平和と調和をもたらした業績に対して2002年度のイグノーベル賞平和賞を受賞。1997年の「たまごっち」のイグノーベル経済学賞につづくサイコーエジソン電子デバイスの貢献。沈みゆく日本の電子デバイス産業の中で金字塔を打ち立てた?

連載小説第145回 「とうとう、勤務地が別になっちゃったね」と舞衣子さん。「俺は名古屋で頑張るよ」とトム君。トム君が単身赴任の名古屋は日本電子デバイス産業の期待の星、自動車関連産業が集積。車載品質でビジネスをするのは、かなりハードルが高いのですが、まあやってやれない事はない?オフィスは栄、錦三丁目で市場調査?ヤバくないか。

連載小説第146回 家を持つと、その途端に転勤になるというのは、当時のジンクスみたいなもの。「そうなんだよ。転勤ってホント大変だよ」とトム君。車載市場攻略のための名古屋単身赴任だったが、奥様と娘2人の家族も名古屋に引っ越して来ることになったみたい。それで奥様は名古屋の大学に転入試験?”妻は女子大生”てこと?

連載小説第147回 2003年です。イラク戦争が起こり薄型(液晶・PDP)テレビがヒットした年でもあります。1897年にブラウンさんが陰極線管(CRT)を発明、1953年に国産第1号の白黒テレビ(シャープ製)が登場したテレビ。ブラウン管のテレビは巨大で日本の居住スペースを激しく侵食、しかし50年ほどの長きに渡り主役、それも退場。諸行無常。

連載小説第148回 エジソン先生の発明(1877年)に遡る?オーディオ業界。パイオニア、テクニクス(パナソニック)、トリオ、サンスイ、TEAC、Victor、Lo-D(日立)、三洋電機、忘れちゃいけないSONYといえばウォークマン。アナログ音源の時代からデジタル音源の時代へ世の中一変。消えた日本ブランドも多いが舞衣子さんの記憶にゃ残る

連載小説第149回 2003年、どんどん動いていく市場を先取り?電子デバイス営業本部も組織を大改革?国外、国内地域別の営業部からアプリ特化型の新規営業部門を立ち上げ、片や携帯電話(既存の売り上げの50%を占める)、片やカーエレ(携帯と比べると2桁3桁小さい売り上げ。)そしてトム君がカーエレ担当の部門長に。とりあえずビールで乾杯?

連載小説第150回 「実はな、舞衣子、もしかしたらのスゴいのがあるんだよ」と今は売上少ないけれど今後に期待のカーエレクトロニクス市場の営業部長を拝命したトム君「一発当たったらでっかいぞ」。一方、膨大な携帯電話の客先を全部見る事になった工作君。忙しすぎて倒れてしまうんじゃないかと心配。マーケットに特化した営業部長になった同期二人のその後は?

連載小説第151回 年が明けて2004年(20年前)ハーバード大のザッカーバーグ君がハッキングで得た女子学生の身分証明写真をインターネット上に公開する暴挙。ザッカーバーグ君はハーバード大学から半年間の保護観察処分を受ける。しかし絶大なニーズを電子的に具現化する革命的な発明SNSは、瞬く間にハーバード限定から世界へ普及。世界を変えてしまう?

連載小説第152回 事業再編なんて聞いてないわよ、と舞衣子さん。群雄割拠の日本メーカ、同じモノを同じように開発してしまうクセ?一方、韓国、台湾、香港、中国の液晶メーカー台頭、このままだと日本メーカーは共倒れ?既にDRAMの世界では複数の企業における事業切り離しと合併が進む。隆盛を誇っていた我々の液晶事業も荒波に。いずれの産業も諸行は無常。

連載小説第153回 何故、同業者(ライバル)の営業と打合せ?といかぶしむトム部長。事業統合の荒波、「同業他社」の事業部がこちらの事業部と合併して新会社設立。つい昨日まで一緒にいた仲間が、別の会社の人になってしまう変な気持ち。移籍する人はもっとだろうけど。期待と不安を抱えてスタートした新会社、出だしは順調?しかし祇園精舎の鐘の声?

連載小説第154回 海外の新興勢力台頭で激変の業界、電子デバイス営業本部(半導体、液晶表示体、水晶デバイス)にも毎日のように変化が。海外担当の舞衣子さんもカーエレ営業会議に呼ばれて名古屋へ御出張。会議の第2部は名古屋名物の手羽先ね。お約束。一方、トム君は彦根へ。彦根城に登城するのは目的でなく(上ったけど)、他に重要ミッションありと。

連載小説第155回 事業状況はめまぐるしく動いていきます。そんな中、海外現法の社長様のお葬式。そして迫る事業再編の準備、いろいろあって組織変更が続きます。人心は落ち着かず、業務も連続性に欠け、あまり良い影響はもたらしません。我らがトム君にも転勤辞令。名古屋から東京へ逆単身赴任。奥様は女子大生だったから。魔女ではありません。

連載小説第156回 日本がバブルへ向かう1980年の同期入社組三人。電子デバイスという成長産業の営業に携わってきた。国内外の赴任や出張を通じて、多くの場所に関わってきたが、今また状況はめまぐるしく動き、組織も変更。工作君は欧州へ、トム君は東京へ。「これも激励会の風物詩みたいなもんなんだから」「え、舞衣子、これって風物詩だったのか?」

連載小説第157回 電子デバイス営業本部解体!各デバイス事業部から独立組織の営業部門であったが、液晶デバイス事業が他社同業部門と合併して独立会社化。それを切っ掛けに各デバイス毎に分配。残った半導体事業と水晶事業は新しい道を模索。翌年には水晶事業も同業他社と合併して独立。トム君と舞衣子さんは半導体事業部に残ったが苦難の始まり?

連載小説第158回 営業部長トム君飛び回る。お客さんじゃなくて事業部へ。情報のシステム化が不十分だった時代、売上げ予測も案件情報も不十分。事業は停滞、事業部は営業を責め、営業は事業部を責め。お客さん対応は楽しげなトム君なのだけれど。「半導体の商品開発って時間かかるし、ベースの技術も。。。」調子が出ないまま、ビールの数だけは増えていく。

連載小説第159回 地球規模の災害に対して無力な我々。スマトラ島沖大地震で大災害。その時トム君は南の島でバカンス中。たまたまトム君が行った先には被害が無かったけれど、犠牲になるかならないかは神のみぞ知る。「マネジメントにはRight Direction が必要」とのトム君の新年の辞。その頃はまだオヤジギャグに対して寛大な世の中でした。

連載小説第160回 2005年、京都議定書発効。実効性の低い条約ではあったものの、その後の国際社会に対して少なからずプラスの影響を与えたのでは、と舞衣子さん。日本ではクールビズ、政府肝いりの施策ね。当時クールなんとかと言われて一瞬「涼しいの?」と思った私はバカでした。「暑い」からこそのクールビズ。心頭を滅却すれば火もまた涼し、違うか?

連載小説第161回 2004年秋、売り上げ上がらず。よし代理店に喝を入れるぞと欧州代理店会議招集。参加者のモチベーションをあげるため「楽しい場所」を選んだ結果のリスボン。特産といえばポルトガル北部のポルト港から出荷されるポートワインよね。ワインの発酵途中で、強いブランデーを加え、酵母の働きを止める製法。甘いけれどもアルコールは強いよ。

連載小説第162回 「それにしても、恥ずかしいくらい能天気でした、私たち・・・」2004年頃の車のインパネには「白黒液晶」売れていた。「白黒液晶って何?」という質問は酷なのよ。ドイツ車載電装メーカーを訪問したご一行、白黒液晶が消える未来も知らず、ドイツの世界遺産、ケルンの大聖堂を「制覇?」あの日々を苦々しく思い出した舞衣子さん

連載小説第163回 世界は激変。トム君いわく「この数年投資が殆どできていないから今から追いつくのは余程の事が無い限り無理だよ」「投資すべき金額が一桁上がっちゃっただろ?」「大規模な投資をするという決断ができなかったところでゲームオーバーだったんだよ」レッド・オーシャンの戦いに白旗。どこかにブルー・オーシャンがないものか?ビールの泡を見る。

連載小説第164回 世界のIT産業は激変。乗り遅れると大変、でも、もう乗り遅れてる?「最先端の半導体市場ではうちの会社ではもう勝ち目がない」とトム君。事業の行く末は先を読む力だと。「最先端技術はダメだけど、ローテクでカバーできるところはやってやれない事はないんじゃないか?」ビールジョッキの泡沫は、ふわーっと、更に頼りなく上がっていく。

連載小説第165回 とりまとめ役の発表にどよめき。「今年2005年度が〇〇〇〇億円の見込みに対して、来年2006年度の一次集計値は〇〇〇億円です」ピークの2000年度には売上2,000億円近く。そこからわずか6年で1,000億円を割り込む見込み。年々売上げは下がっていたけれども、あまりにひどい。我々の半導体事業なんでこうなっちゃったの?

連載小説第166回 売上げは下がり続け、2006年ついに大台割れ。激震が走る。しかし我々の半導体事業の関係者は誰一人として本当の問題が何か分かっていなかった。ニワトリが先か卵が先か判断を下せないでいた。同様に日本の多くの半導体事業が相対的に地位を下げ、投資に躊躇。事業戦略もKKDでたててきた結果か。KKD、「勘と経験と度胸」です。

連載小説第167回 「半導体、全然関係ないですね。」と舞衣子さん。嬉しくても悲しくても勝手にやってくる2006年。荒川静香選手がイナバウアーで金メダルの年。以前は伊藤みどり選手の銀メダルが最高。その後浅田真央ちゃんでも銀メダル。オールドファン?のトム君は1972年の札幌オリンピック。「でも、ジャネット・リンちゃんの笑顔は金メダルだよ」

連載小説第168回 乗り遅れると大変な事になっちゃうんだけど、もう乗り遅れてる?負のスパイラルへ落ち込み、抜け出せない事業。2000年にはサイコー!だった売上げは下がる一方。翌2006年度の売上げ計画、無理やり乗せた大台の数字。それはただの数字でしかない?それが絵に描いた餅にならなければいいな、と不安も感じる私、詠人舞衣子でした。